Art Of PeopleⅢ グループ展後書3
当初より目的としていた21世紀美術館での審査が通り、開催が決定しました。
参加される皆さんの制作目標を伺い、どのように進めるのかスケジュールを一緒に立て進行していきます。
それと同時にブランディングをより高める為に付帯した価値を探します。
ただそのまま展覧会を開催するのではなく、如何にして展覧会の価値を高めるのか。
例えば、企業や他の作家からの打診です。
展覧会は作家をアピールする場所です。
できるだけ社会への認知度を高め、個の価値を高める事が目的です。
ただ開催し発表するのではなく、その先にある先に繋ぐ事のできる物事を考察し実行すべきです。
様々な可能性を考えます。
需要を推測し宣伝を行うべきターゲットを見定める事、そのためのデザイン、広告を設置する場所、有効な広告期間を定めます。
ブランディングをしっかり行わないとあまり意味のない宣伝に終わります。
今までの経験で得た知識を使い、経験則以上に進歩できる方法を考えます。
勉強とは同じ事を繰り返すのではなく、新しい試みを行う事です。
無謀だと思えるような物事も深く観察すればどこかに糸口を発見できます。
一つの結果、TV放送にて最大の宣伝効果を得るというプロジェクトを選択する事にしました。
ではどのようにして放送局が興味を持つ企画を作るのか。
様々な企画を作り、様々な放送を行ってきた、そんな放送局が興味を抱く物事とは何なのか。
TVを所有しない生活をして7年。
どのような企画を提出すべきかを学ぶべく、様々な企画放送特集放送を調べ学びます。
その中で今回の企画のベースとなったものが、ドキュメンタリー映画でノルウェー作品の「歌えフィッシャーマン」でした。
随分昔にこの映画を見て感動したのを調べ物を行っている時に思い出します。
この作品からは純粋無垢な生き方、何気ない日常の中にこそ幸福が散りばめられている事を学びました。
この映画をヒントに企画書を制作します。
「石川県に住み、石川県で働き、石川県で過ごす、13名の作家の物語」
と副題を付け企画書を制作します。主題は「Art Of PeopleⅢ in 21世紀美術館」です。
約100ページ弱の総数になった企画書を石川県内(金沢)の全ての放送局に送付します。
企画書送付をし1週間、全く反応のない日々が続く中、MRO北陸放送様よりリアクションがあり、そこからセッションが開始しました。
僕としてはここで一つのストレス、放送局が興味を抱いてくれるのかという疑問から解放された事と同時に、今後はどのように伝えれば更に魅力を感じていただけるのかを考えなければなりません。有名な人からのアプローチであれば放送局も喜んで対応していただけると思いますが、何処の誰ともわからない無名な人からのアプローチです。放送局もどのようにすれば魅力的に映るのかを思案しているはずです。この機会を物にするのも逃すのも今後のセッションに掛かっています。
何度かディレクターさんとセッションを行います。
石川県で生活をし人生を育み、一般的な幸せの中で大きな夢を持って生きている人たちの物語を撮って頂けませんかと提案します。平凡な人生の中にささやかな冒険を持って、しかし精一杯に努力をしながら作品を制作する人達の人生を他人が見ることができれば、それはきっと輝いて映るのではないか、そう思っていました。
結果として「絵画に人生を写して」というテーマで特集放送を組んでくださり、数名の生徒さんをフィーチャーし放送する方向で進みます。特集放送として制作して頂ける事に心から感謝しました。
しかしここで予期しないネガティブな要素、新型コロナが流行をはじめ、全ての物事を停滞させます。
放送どころか撮影すら行えず、展覧会すらも開催できない不安な状況となりました。
2020年1月、2月、3月と更に状況は悪化します。緊急事態宣言でアトリエは決定的に経営不可能な数字となり事業を終わらせる事も視野に入れます。貯蓄を切り崩し何とか生活を継続します。劣勢の弱小企業は何処も同じだったと思います。
やがて温かくなるにつれ新型コロナの感染者数も落ち着き、世間も半年間のこの状況に慣れ始めます。
ようやく撮影が開始されたのは展覧会開催の前月でした。新型コロナの影響もあり極力撮影回数を減らし行われます。
生徒さんの作品も瀬戸際で滑り込むように間に合わせ開催にこぎつけます。
なんとか・・・ですがようやく待ちになった展覧会の開催となりました。
それぞれの生徒さんの想いを作品に。
今回の展覧会では書ききれない事がまだまだございますが一旦はここにて終了とさせて頂きます。
後書として、系譜を記載いたします。
第1回 2018年2月「Art Of PeopleⅠ」湯涌創作の森ギャラリー
参加:8名
観覧者:80名
第2回 2019年4月「Art Of PeopleⅡ」しいのき迎賓館
参加:9名
後援:北國新聞社、テレビ金沢、エフエム石川
協賛:Ishibikiパブリック 観覧者:500名
第3回 2020年10月「Art Of PeopleⅢ」21世紀美術館
参加:13名
後援:MRO北陸放送、北國新聞社、テレビ金沢、エフエム石川
協賛:アセットプランニング 観覧者:3192名
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