KINGDOM
KINGDOM
KING
PRINCE
QUEEN
each 1350x950mm
The kingdom prospered, but died in one generation.
imperfect prince
I wanted perfection
Carrying the guilt of the soldier who killed
Dreaming of the paradise that will soon come
the battle continued
the king died and the prince died
Dreaming of the paradise that will soon come
王国は繁栄したが1代で滅んだ
不完全な王子が
完全な姿を望んだ
殺した兵士の罪を背負って
やがて訪れる楽園を夢見て
戦いは続いた
王が死に王子も死んだ
やがて訪れる楽園を夢見て
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この作品はデッサンの必要性を伝える為に制作した3連作です。
バッタをモチーフにデフォルメし、細密表現を行った具象絵画です。
具象絵画は必ずデッサン力が必要になります。
デッサン力は美術の基礎力で根元的な力です。
デッサン力が備わっていないと、想像した事を描くことも、見て描くこともできません。
モチーフがどのようなフォルムなのか全体を理解し、そして詳細を理解します。
しっかりとしたデッサン力が根底にあって、その上で着彩技術を高め表現を広げていきます。
どのぐらいまで上達すれば、デッサン力が備わったのかという判断はしずらいですが、過去の自分のデッサンと比較すると理解できると思います。納得できる進歩なのかだと思います。
デッサンは技術です。
誰もが備える事のできる技術力です。
それとこの作品にはもう一つの意味があります。
KINGDOMは僕の家庭を表しています。
KING、QUEENが両親、 PRINCEは僕です。
KING、QUEENは美しい見た目で中央のPRINCEを見ています。
PRINCEは羽を広げていますが、片方は部分的に欠損し模様も美しくありません。
背中には禍々しい2つの髑髏模様があります。
僕は1〜2歳の時に自殺を行い失敗しました。
まず1〜2歳児の記憶が何故残っているのかという疑問や、そして1〜2歳児は歩く事もままならないだろうにどうやってそんな事ができるのかという疑問があると思います。
それができた理由は虐待です。
父は風貌も言動も粗暴で、ドラマでみる暴力団員のような感じでした。全ての言動が悪いわけでは無く、悪びれている大人という感じです。会社経営をし、自分の信念を持って行動するという立派な部分もあり、全てが悪いわけではありませんでした。多分それはみんなそうだと思います。良い部分、あまり良くない部分、みなさんそれぞれに自分に納得のいかない部分があって日々、勉強を繰り返しているのだと思います。
父にとって大きな人生観の一つは「なめられないこと」です。
それは家族に対しても適用され、自分の気に入らない事はどんな理不尽な事も押し通す人でした。
よく昔の親父は暴君で荒くれ者が多かったと言いますが、それが全ての子供に対して通用するわけではなく、僕のような弱い人間は駄目になってしまいます。
自殺を決行したのは、何か粗相をしてしまった事に対しての折檻の時です。
まだ1〜2歳児ですので、様々な事がしっかり行えず生きていく事にまだ順応できてない年齢です。ご飯を綺麗に食べれなかったり、排泄が未熟だったりもします。その事を咎められ方足を持ち上げ宙吊りにされた状態で、2階の窓から外に放り出すようにし、何度も揺さぶられ汚い言葉で叱られるという折檻を受けました。
その折檻の3回目の時に、僕はこの家庭で育つことはできないと確信しました。
いつものように僕の片足を取り持ち上げ、窓から放り出した時、地面に積まれたコンクリートブロックがあるのが見え、その角に頭をぶつければ死ねると理解し、父の手を解こうと、足をおもいきり揺さぶり地面のブロックをしっかりと見ていました。この時目から見た風景や、体へ伝わった感覚、そして絶望感は昨日の事のように覚えています。
1〜2歳児ですので体重はとても軽いと思います。そんな簡単に手が解けるわけもなく、2階の部屋に戻された時に、父は「危ないやろ!ボケ!」と行動と一致しない暴言で僕を責めました。
この人はやってる事と言ってる事がめちゃくちゃだと思ったのも覚えています。
そんな父でしたので、僕の身体が大きく成長するまで暴力と人格否定を続けました。
おかげで見事に歪んだ性格に成長し、何と無く僕は誰からも愛される事はないと思い込み、全ての人に対して意味の分からない恐怖や敵意を抱くように育っていました。
少学校の運動会だったかで手持ちの鉄琴を演奏していた時、父と母が僕に笑いかけたのを覚えています。
それまでは満面の笑みで返していたのですが、その時から僕はどのように返していいのかわからなくなり、両親に笑顔を返しませんでした。父が母に対し「あいつどうしたんや。陰気臭いな」と言ったのも聞こえていました。
中学生から大人になる大学生くらいまで、世界は灰色で色を感じにくく、誰もが僕を蔑んで笑っているような感覚で過ごします。
誰かが笑っていると自分の事を笑っているのだと勝手に被害妄想を抱き、笑っている人に喧嘩をふっかけるというクズ人間に成り下がっていました。今から思えば、あれだけ嫌っていた父と同じような性格に育っていたのです。
自分が普通ではないとやっと理解できたのは、親元を離れ始めた美大生の時です。
卒業後上京し、会社勤めでさらに自分はおかしいという事を理解していきます。
本気でこの性格を改心しなければと、何が駄目なのかを少しづつでも勉強し変える努力をします。
そして親と離縁する事も決意します。
離縁すると考えた8年間は辛く目立った精神疾患も出ていました。愛とは何なのかを考え悩み、自分の甘えではないのかと自分を責め、また両親を責めるという負の連続でした。
恥ずかしい内容ですが、この3連作は僕の家庭を表し、美しい姿の親が形が歪になっている子供を見ています。
歪んで育ったPRINCEを僕に重ね表していますが、今は羽を広げやっと飛び立つことができる、普通の人間に近づいたという事を表現しています。
2つの髑髏は死を表し、1度目の死は自殺を決意し行動した2歳の時、2度目の死は両親との別れを決意し、自分を普通の人間に変えると覚悟を決めた時、人を傷つけた過去は拭えず罪を背負っていて美しいものではないという意味で羽模様は禍々しくしています。
ですがそれでも飛べるんだと。普通の人間に近づけるのだと。
何のために生きているのかを誰もが自問するように、今でも家庭環境を思い出し苦悩します。
何の為に生きているのか。
それは携わり関係する全ての人に対し感謝し、少しでも何かを貢献できるように努力する事ではないのかと考えています。
生きる事は難しく、簡単です。
僕は一方的に愛する事で心が楽になりました。
見返りを求めたから辛かったんだなと。
とても恥ずかしいブログを失礼しました。
この作品は情けない自分の懺悔です。
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