知らないでいる事は様々な事を失っていく事と同じ
年齢を重ねる毎に知識を蓄え様々な物事に対処できる力を備えていきます。
様々な価値観や概念の理解が進み以前は認知できなかった事にも視野が広がり包括的な物事の判断もできるようになっていきます。
ですがこの成長は年齢を重ねれば受動的に備わっていくものではなく、様々な物事を進んで学び価値観のアップデートを行わなければ成長が行われません。
年齢と共に成長するという真意は過ごした分だけ学ぶ時間があり経験してきたからこそ備わっているという論理的な事実を指しているだけです。
僕の世代である団塊Jr以降の中年高年世代は時代の恩恵を受けた世代ではないでしょうか。今のような経済の悪い時代ではなくまだ景気が良い中で成した事を自分が成したことだと評価している方が多いと感じます。それは時代によって受けられた恩恵であり個人的な実力以上の環境因子が大きかった事を差し置いて盲目的に自分を評価していないでしょうか。
今の青年世代の環境は僕の時代よりもとても便利ですがとても過酷だとも思えます。経済や自然環境や少子化など抱え切れない問題を解決していかなければなりません。
労働と収入の対価がずれている事、国の税制と再分配の醜さ、必要な人に必要なお金が回っていない事、上げればキリがない程に社会そのものが歪んでいる時代だと思います。経済や社会に疎い地方の画塾の先生ですら何となく感じます。また精神的な面からも僕が若かった時は無闇に進んでも光が先にある感覚が全体的な気運としてありましたが今はそれがなく如何にして傷を浅くするのかという対処療法のような環境下で若い方はリスクだけを意識して生きているのではと思ってしまいます。
どうしてこうなったのか、どうして自分と近親者以外を大切にできなくなったのか。余裕がなくなったのは何故なのか。
僕はあまり多く本を読みません。
読む本はあくまで仕事に関しての補間や成熟させる為であり知っておけば生徒さんに助言できそうな事を学ぶ為にしか読んでいません。
少ない読書のほとんどが美術書ですがそれ以外でも時おり時代の名著と呼ばれる本は何とか読んでいます。サミュエルスマイルズのセルフヘルプやスティーブンRコヴィーの7つの習慣などの誰もが聞いた事のある名著を時折読んで無い思考をめぐらせています。
そんな本音痴の僕にも衝撃が走った本が「斉藤幸平さんの人新生の資本論」です。3年前のベストセラーですので読んだ方は今更と思うかもしれませんがTVがなくトレンドに疎いのでそこはどうかお許しください。
この本は本当に様々な方に読んで欲しいと思う名著です。これからの世代の為に成すべき提案を衝撃的な内容で書いています。
また僕はどちらかと言えば文章を読むよりもYOUTUBEで動画を見る事の方が好きですので様々なジャンルを見るのですが、今一番好きな動画がアフリカで住むハッザベ族の食事風景です。原始部族の食事風景なのですがこの動画は何回も何度も見ました。
こんなに平和で和気藹々と食事を楽しみそして皆んなで分け与えて平等に生きている世界が原始の部族にあったのだと感心し、またとても美しいと感じました。理由もなくただ美しいと感じる本能的な感覚もあります。
争ってパイ奪う実力主義の世界ではなく、より多く資本を持ったものが更なる富を独占できる資本主義ではなく、共に生きるコロニーの為に今日の食事を確保し部族みんなで分け与え共存している姿が現代的な生活で希薄になってしまった本質的な全体愛ではないのかと感じます。
恵まれていたと思っている文明社会ではなくもっと原始的な生活の中にもっと昔の時代に共同体としての愛が本質的に存在していたのだと楽しそうにみんなで平等に食事をする動画を見て感じました。
*動画には衝撃的な映像だと感じる内容もありますのでご注意ください。
Cooking Unwashed Beef Soup With The Hadzabe Tribe: Watch How Wild Men Prepare Lunch In The Bush!.
自分は良い生活をしたい、美味しいものを色々食べたい、良いブランドの服を着て良い高級な乗物に乗って、良い立派な豪邸に住んで、他人よりも良い生活をしたい。
そこに本当に価値があるのでしょうか。
そんな価値感を良い生活だと思い求める原因はタワマンに住む人を持ち上げたり芸能人が着ている服装を使った金額で評価しているTV番組や豪華な生活をSNSで発信している人がいるからです。それは本当は経済の闇なのではないでしょうか。
勝者のように見せるマウンティングの世界に美しさはあるのでしょうか。
ボランティアで自分の時間を犠牲にして弱い人を助けようとする人、少ない収入の中寄付を行う人、本当はもっと目立たなければならない物事がたくさんあるのではないでしょうか。
無知は失っていく事と同じです。
是非読んでください。
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